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個人のAIスキル向上と組織の生産性向上は「別モノ」であるという不都合な真実

  • 執筆者の写真: Yosuke Oyama
    Yosuke Oyama
  • 22 時間前
  • 読了時間: 2分



最近、企業の方からAI活用に関するご相談をいただく機会がとても増えました。 いろいろなお話を伺っていると、非常に面白い(そして悩ましい)共通の課題が浮かび上がってきます。


それは、「AIを導入したのに、社内全体の生産性が一向に上がらない」ということです。そして決まって、「社員間でAIを使える人と使えない人の格差が激しい」という悩みがセットでついてきます。


【AI研修の罠】

この課題に対して、多くの企業が「AI研修」を実施します。プロンプトの書き方やChatGPTの活用法を教えるわけですが、残念ながらこれはあまり効果を上げていません。

なぜなら、「個人のAIスキルの向上」と「組織全体の生産性向上」は全くの別物だからです。

研修を受ければ、一部の感度の高い社員はさらにAIを使いこなし、個人の業務効率を劇的に上げるでしょう。しかし、それはあくまで「点」の進化に過ぎません。


【令和のマクロ職人現象】

ここで起きつつあるのが、かつての「マクロ職人」と同じ現象です。

昔、部署に一人はExcelマクロを駆使して神がかった資料を作る人がいましたよね。でも、その人が異動や退職をした途端、誰もそのファイルの中身を理解できず、業務が回らなくなる……。あの「属人化のブラックボックス」が、今AIの領域で全く同じように発生しつつあるのです。

「あの人に頼めばAIで一瞬で処理してくれる」という状態は、組織の生産性が上がっているとは言えません。単に新しい依存先が生まれただけです。


【組織の生産性を上げるために本当に必要なこと】


では、どうすればいいのか。 大事なのは、社員全員を優秀なプロンプトエンジニアに育てることではありません。

真に取り組むべきは、「誰が使っても一定のアウトプットが出せる、社内ツールの研究・整備」です。

個人のスキルに依存するのではなく、業務プロセスそのものにAIを組み込むこと。例えば、社内規定を読み込ませた専用の社内チャットボットを作る、定型業務を自動化するツールを全社導入する、誰もが使えるプロンプトのテンプレートを業務フローの中に標準化するなど、「ツールや仕組み」の側に知見を蓄積していく必要があります。


【まとめ】


AIは魔法の杖ではありません。個人をエンパワーメントする力は絶大ですが、それを「組織の力」に変換するには、また別の設計図が必要です。

「個人のスキルアップ」から「社内ツールの整備と業務プロセスの再構築」へ。 AI活用のフェーズは、今まさにそこへ移行するタイミングなのだと思います。

 
 
 

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