創業経営者の「決断」を支える技術。なぜ、組織が大きくなると「社外の声」が必要になるのか?
- Yosuke Oyama
- 7 時間前
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事業開発や自治体のアドバイザーとして活動していると、多くの「創業経営者」の方々と膝を突き合わせる機会があります。
まず大前提として、私は創業経営者という存在に、最大限の敬意を持っています。
何もないところから事業を立ち上げ、幾多の修羅場をくぐり抜け、従業員とその家族の生活を守り抜いてきた。その圧倒的な熱量と、研ぎ澄まされた「直感」があったからこそ、会社は今の規模まで成長できたのです。
しかし、組織が拡大し、次のステージへ進もうとする時、多くの経営者が不思議なパラドックス(逆説)に悩みます。
それは、「社内のことを一番考えているはずなのに、社内の声が届かなくなる」という現象です。
偉大なリーダーほど「孤独」である
創業経営者が、社内の意見よりも、私のような外部アドバイザーやコンサルタントの意見に耳を傾けることがあります。 社員から見れば、「なぜ現場の私たちの声は聞かないのに、外の人の言うことは聞くんですか?」と不満に思う瞬間かもしれません。
しかし、これには理由があります。経営者の「性格」の問題ではなく、「視座」の構造的な違いです。
創業経営者は、常に「会社の存続と未来」という強烈なプレッシャーの中で生きています。 一方で、社員はどうしても「今の業務」や「現場の都合」が優先されます。
この視座のギャップがあまりに大きいため、経営者には社員の意見が「経営の危機感をわかっていない」ように聞こえてしまうのです。 だからこそ、同じ視座で話ができる、あるいは利害関係のない第三者の「客観的な意見」を求めてしまう。これは経営者の「孤独」の裏返しでもあります。
外部アドバイザーの正しい役割は「翻訳」
ここで、私たちのような外部の人間が果たすべき役割があります。 それは、経営者に新しい知識を教えることではありません(事業のことは経営者が一番よく知っています)。
重要なのは、「経営者の直感を言語化すること」と「現場の声を経営言語に翻訳すること」です。
実は、現場の社員が言っていることと、経営者が目指していることは、根っこでは繋がっていることが多いのです。 ただ、お互いの見ている景色(視座)が違うために、言葉が通じ合っていないだけ。
そこに外部の第三者が入り、「他社事例」や「客観データ」という共通言語を使って橋渡しをすることで、初めて「あ、現場はそういうことを言っていたのか」と、経営者の耳が開く瞬間があります。
「創業者の熱量」を組織の力に変える
創業経営者のトップダウンは、初期の成長において最強のエンジンでした。 そして今、組織が大きくなり、そこにある種の「壁(キャズム)」を感じているなら、それはエンジンを載せ替える時期ではなく、「エンジンの力をタイヤに伝える仕組み」を変える時期なのかもしれません。
外部の声を聞くことは、決して社内を軽視しているわけではありません。 むしろ、「自分の熱量を、誤解なく組織全体に浸透させるため」に、あえて外部の視点を利用する。
そんな「したたかさ」を持って外部リソースを使いこなせる創業経営者こそが、この壁を乗り越え、会社を永続的な組織へと進化させていけるのだと確信しています。
「コンサルタント」ではなく、「事業を共に成功させるブレーン」として。
もし求められているのが、正論だけを並べたレポートを提出するだけの「先生」なら、オフィス山雄はお役に立てないかもしれません。 私たちは、単なる事業開発コンサルタントではありません。
その役割は、孤独な決断を支える「外部ブレーン」であり、同時に、泥臭い現場で一緒に汗をかく「事業の共同推進者」となることです。
創業経営者の脳内にある壮大なビジョンを、現場が理解できる戦略へと翻訳する。 時には壁打ち相手として思考を整理し、時には現場に入り込んで実行をリードする。
「アドバイスをして終わり」ではなく、「事業が成功するその瞬間」まで、経営者と同じ船に乗り、リスクと熱量を共有して伴走します。




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